Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第22回 14-24mm

 それは、驚異のズームレンズでした。

 「大三元」と呼ばれるのは、標準の24-70ミリ、望遠の70-200ミリ、そして、広角の14-24ミリの、3つのF2.8ズームレンズです。今年創業100年を迎えるN社の、100周年記念販売品に、カメラと併せ、大三元の特別セットが用意されます。それほど、この3本は他のレンズとは格が違い、重きをなしています。

 その、14-24ミリは、設計では不可能なほどの非球面レンズを必要とし、断念も検討されるほどだったそうですが、数々の難問をクリアし、登場しました。

 その性能は驚異的なもので、最広角域14ミリにおいて、単焦点14ミリF2.8の性能を上回るという、通常はあり得ないほどのレンズとなり、設計と併せ驚異的なレンズとなっています。

 先日も、同レンズを、レンズメーカーの12-24ミリ2世代と比較しながら、使いました。

 基本的に、対角線魚眼の16ミリを上回る超超広角は、一般的には巨大なものを写す、及び広範囲を写すことが多いですが、もう一つ、あまり知られていない使用法があります。

 それは、「狭い室内に押し込められた物の全景を、直近で撮る」です。

 一般的には、全景はある程度の距離を置いて撮るものですが、狭い室内では、離れる距離を置くことが出来ず、直近で撮らねばなりません。それには、このような超超広角が必要なのです。確かに、狭い室内に押し込められるのは、悲しい野生の虎ですが、それを解放する唯一の手段が、このレンズなのです。

 確かに、レンズメーカーの12ミリには少々範囲が負けますが、絞り一段明るく、しかもコーティングが完璧で、別人が撮ったぐらい写真も違いました。その位、性能的に圧倒的なレンズなのです。N社の目指す写真が、そこにあります。

 ただ、正直言うと、C社は11ミリを造り(これは法外な値段で、超望遠レンズ並みの値段でしたが)、それを上回れとはいいませんが、AF動作ギリギリの明るさF5.6か6.3位で、レンズメーカーに対抗するようなレンズは、技術力からして設計出来そうな気がしますが、どうなんでしょうか。開発検討さえ行っていないのか、それとも少し状況が悪く、そこまで余裕が無いのか。レンズ設計の余力こそが、メーカーの体力でもあり、この辺は手を抜いて欲しくないですね。頑張って欲しいです。

 それでは、次回をお楽しみに。