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Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第12回 135mm

 それは、「かゆいところに手が届く」レンズでした。

 常用を大三元に出来ない、「仕事ではない」カメラマンは、でもナノクリが使いたいので24-120mmf/4を使います。そうすると、高倍率ズームと比べ、制約は大きくなります。広角側の余裕は出来たものの、望遠側は格段に落ち、望遠ズームの助けが必要となるのですが、現在のラインナップでは当分残念です。

 つまり、当分は、120ミリが上限であり、これを越える望遠は、何らかの手立てが必要です。高倍率ズームを使用しないという前提で使うなら、その上の単焦点が必要ということとなります。

 85ミリの上は105ミリ、その上は135、180、200となっていくのですが、180ミリのクラスに入らないものは、その下の135ミリということとなります。

 先日105mmf/1.4が出ましたが、従来は105と135はf/2、ボケ味を調節出来るDCレンズです。DCを鉄道写真に使うかどうかは別として、中望遠から本格的な望遠へと繋がる焦点距離、その微妙な立ち位置になります。

 そのうちの135ミリは、今のラインナップで、もうちょっと、というときに絶大な効果を発揮します。特に120ミリで足りないときに、その1本で写真が随分助かる、という経験を何度かしています。そのため、今ではお気に入りの1本になっています。

 105と135は通常ペアで持ち、広角f/4ズームとセットです。そして、常用レンズの使えないところで、「待ってました」と構えています。メインバッグには入りませんが、サブバッグが持てる場所では、必ずです。

 言えることは、いろいろな光学的設計の中、現在も単焦点として残るのは、やはり多くの人が使った焦点距離だからでしょう。その意味で、技術的にも、ニーズとしても残った、結論の焦点距離なのでしょう。

 こう考えると、やはり85、105、135、180をカバーする、70-200ミリが欲しい気はしますが、多分先ずはf/4からで、明るさに不満を感じるまでは、暫く我慢なのか。どちらにせよ、もう少し技術が上がるのを待ちたいと思います。

 それでは、次回をお楽しみに。

第11回 70-300mm

 それは、初めての望遠レンズでした。

 今のように、高倍率ズームが一般的ではなかった頃、300ミリは、手の届かない距離でした。プロ用の300ミリf/2.8、一般的な300ミリf/4はありましたが、そこまで届くズームは、f/5.6レベルでもなかなか開発されませんでした。

 そこに、70-300ミリが、f/5.6-6.3という明るさながら開発され、早速飛びついたものです。当時の高倍率の上限は200ミリ、以遠をカバーするレンズとして、迷いはありませんでした。

 その後、デジタルでAPS-Cサイズ用18-200ミリを手に入れ、その補助にもそれを持っていったものです。フルサイズ450ミリ相当、効果は絶大でした。

 同様のレンズは、いわゆるサードパーティーでも製造され、同じメーカーでも何種類もラインナップがあるレンズとなりました。純正でも、今はモーターと手ブレ防止が入るようになり、進化が続いています。

 しかし、今は高倍率でも300ミリが入る時代、それに対して光学的メリットが大きいとも思われず、値の張るものの70-200ミリ、80-400ミリもあるため、余裕がある人はそちらを使用し、以前と比べ使う人が減っています。私も、持参する機会が減り、乾燥庫で出番を待つことが増えています。今では、500ミリもズームレンズの範疇に含まれ、300ミリのズームに新鮮味が減っているのも事実です。そんな中、やはり埋没しつつある、という感じがします。設計そのものより、位置づけの問題と思います。

 昔の思いもあり、また今更手放しても厳しい査定となることが分かることもあり、処分することは無いでしょう。高性能低倍率ズームの補助として、再び役に立つときは、来るのか?それまで、しばらくお休みということのようです。

 それでは、次回をお楽しみに。

第10回 58mm

 その焦点距離を聞いたとき、それを理解するのに、私はあまりにも幼かった。

 私の通っていた中学校には「写真部」があり、写真はあまり撮っていなかったらしく、文化祭の展示は、カメラ店でタダで貰ってきたカメラのカタログを並べるだけでした。そこで、FDマウントやFマウントは、「シャッター優先AE」があり、自分のKマウントのエントリー機はそれがなく、悔しい思いがしました。ちょうど「多分割測光」のはしりの時期で、Fマウントの「世界初」のオールインワンのカメラを欲しいと、子供ながら思っていました。

 そのメーカーの、レンズのリストに、名前の違う、58ミリという中途半端な焦点距離の、F1.2のため、法外な値段のレンズがありました。その命名理由も、その最大の特徴も知らずに。

 その名「ノクト」は、夜想曲ノクターン」から命名され、夜景を綺麗に撮るために、精研削非球面レンズなど当時としては究極の加工技術を施した、プロでも一呼吸置く究極の標準レンズで、普通の妻子持ちにはとても手が出ない逸品でした。増して、子供が買うなどと言うことは、絶対にあり得ない値段のレンズでした。

 しかし、マニュアルフォーカスレンズで、間もなくやって来たAF化の波の中、AF用に再設計されることもなく、いつの間にか製造が中止され、私もその名を忘れていました。

 それから30年、この58ミリが、再び設計されるなどということを、一体誰が考えたでしょうか?勿論リバイバルでも十分なセールスを期待出来ますが、現在可能な非球面技術も用い、最新の設計で新製された、新たな時代の標準レンズとなりました。自然に設計すると、一番小さくなってしまう焦点距離でもあり、「大きくない」という声も聞かれますが、従来の50ミリと比べても大きくなるよう設計され、光学性能も究極と思われ、当時のレンズが手に入らない以上、可能なら手に入れたい逸品でしょう。申し訳ないですが、妻子持ちには無理な値段で、有閑紳士になるのを待つしかありません。

  画像は、昼は勿論、夜景が美しく、ナノクリでフレア、ゴーストも低減され、勿論AF-S50mmシリーズも悪くはありませんが、やはり究極のレベルと言うべきでしょう。値段以外では、買って後悔はしないと思います。

 ただ、どうせやるなら、既存の50ミリにも、ナノクリは出来ないのか、とも思うのですが、シンデレラにそこまでは出来ないのか、それとも同士討ちになってしまうのでしょうか。それも覚悟で、今の倍の値段でも買う人はいるというのは、無理な考えなのでしょうか。正直、20万超のレンズは、職業カメラマン以外は普段使い出来ず、日常的にナノクリの威力を感じるのは、そういうレンズだと思うのですが。

 因みに、ノクト58mmF/1.2は、現在オークションでは大体30万前後で出ており、Dfが出てしまった今、クラシックレンズ市場に火が点いてしまい、今後暴騰の一途でしょう。その金額は、私のボーナスとドッコイドッコイ、他の楽しみを止めるわけにも行かず、やはり無理です。有閑紳士になったら、という夢ですね。

 それでは、次回をお楽しみに。

第9回 85mm

 師匠は、言った。「85ミリ、可愛い女の子を撮るレンズだね。」

 この焦点距離を「ポートレートの基本」というプロもいますが、やはり85ミリは一般に、女性を撮るためのレンズ、と言われます。某レンズメーカーは、「女性を撮る」専用の85ミリを、同社の名作90ミリがあっても製造します。たった僅か5ミリの差に、思い入れがあるのでしょう。

 色恋事はご無沙汰の私も、F/1.4Dがあり、F/1.8D、AF-S F/1.8Gで止めようと思ったときに、目の前に、AF-S F/1.4Gのキャンセルによる売約流れを見てしまい、思わず衝動で買ってしまい、しばらく支払いに苦しみました。しかし先日夜景に使用すると、点光源も綺麗で、流石ナノクリ、文句なしの画像でした。

 ただ20万超のレンズを普段使いや、増して雨天時に使うのは愚かなので、通常は乾燥庫の肥やし、僅か2/3段暗いだけで半値となるF/1.8シリーズが主力です。これを、鉄道写真に応用出来ないか、と考えるのが私です。

 「お立ち台」、則ち撮影ポイントによっては、ここは望遠が必要だったり、いや標準系でもイケる、等の解説はありますが、やはり自分の目と技術で確認したいところです。先ず50でも確かめ、次回は85で試したいなあ、と思う場所が何か所かあり、行く機会を窺っています。特に、リバーサルも未だ使う私は、フルサイズとの併用で、いくつかの楽しみもあります。正直、APS-Cでは、焦点距離読み替えがあり、思ったような成果が出ないのが悩みでした。

 まあ、私のカメラは、女性ではなく、鉄道を撮るための機械ですから、今更浮気はしませんが、この、中望遠の特徴を、今後十分に生かしたいと思います。

 それでは、次回をお楽しみに。

第8回 28mm

 師匠は、言った。「35ミリでは、違いは、分からないよ。」と。

 2本目の、単焦点レンズ、広角にすることは決めていましたが、どれにするのか、悩んでいました。24ではちょっと行き過ぎ、そうすると28か、35でどうかという話になりますが、28か、35か、自分では判断が出来ず、考えていました。

 そこで、思い切って相談して、初めのとおり答えを得ました。そして、35mmF/2ではなく、28mmF/2.8を、購入しました。

 結果も、そのとおりで、明らかに違う画角を意識し、初期の目論見通りの結果が得られました。

 その後、24ミリを始めとして、16から35まで単焦点を全部揃えることとなり、試しましたが、確かに35ミリでは、50ミリに対して思ったほどの差が生じず、慌てて買わず正解であったのが分かりました。

 やはり、28ミリは、広角の王道であり、先ず最初に持つべきレンズでしょう。メーカーも「スキルアップに最適」という程でもあり、多くのフルサイズ用高倍率ズームも、この焦点距離から始まっています。正直、この位はないと、撮影時にストレスが溜まります。

 ただ、昔はあった28mmF/1.4が、未だ復活しないこと。オークションでも良い値段がつく同レンズ、新式のAF-Sでは発売する気配さえ感じられず、かなり期待しているのですが、その前に105ミリが出てしまい、なかなかです。勿論F/1.8はナノクリも装備され良いレンズですが、やはり計画が無いのか、不安でもあり、その辺の回答も欲しい気はします。やはり、「王道」というからには期待したいですね。

 それでは、次回をお楽しみに。

第7回 シャッター優先AE

 その技術は、それまであまり現実的な選択ではありませんでした。

 カメラは、当然初期は、ピントも露出も全部手動、勘で撮っていた時代から、外部の露光計で測光するようになり、カメラに装備も、外部からカメラ内部に装備するよう進歩し、更に露出計で自動的にシャッターを制御するようになり(絞り優先AE)、この間にも大きな進歩がありました。

 そこに、一部のカメラメーカーが、シャッター速度を設定すると、自動的に絞りを制御するという、いわゆる「シャッター優先AE」を搭載し、大々的に宣伝することにより、カメラの勢力地図も大きく変わりました。しかし、実際フィルムカメラの時代には、晴天時に高感度フィルムで明るいレンズを使ったときのみ、高速シャッターがシャッター優先で切れるだけで、フィルムの感度の限界があり、当時あまり現実的な技術ではありませんでした。そのため、結果として多くの人が絞り優先AEで撮っていました。

 状況が変わったのは、デジ一が出てからです。かつてフィルム感度はカメラでは定数でしたが、デジタルは「自動感度」も可能、設定することによって変数となり、かなり暗くても高速シャッターが切れるようになりました。そのため、やっとシャッター優先AEは、現実的な技術となりました。

 やはり電車は動くもの、明るさはRAWで操作出来ても、被写体ブレは後からでは何ともなりません。それを防ぐのは、絞り開放で可能な限り早いシャッターであることより、ブレないシャッタースピードに設定する方が安全です。今後、鉄道写真では、やはりシャッター優先AEが主流となっていくと思われます。マニュアルで固定露出、というのは、AFを切って置きピンするのと同じ、AEの派生形となります。曇ったら、終わりですが。

 ただ、常識として、絞り優先AEが出来ないと、一般の写真は撮れません。技術としては、身につけておく必要はあるでしょう。そこは、勘違いの無いように。

 それでは、次回をお楽しみに。

第6回 1/3の神話

 私が、20代後半で鉄道写真を撮るようになってから、最初10年あまりは、駄作を連発しました。多くの人が、その頃には既にあったであろう方法論も、何も無く、ただやみくもに撮っているだけであったからです。「日の丸構図」も当たり前、顔が中心に来てしまっていたり、今思い返すと、見るに堪えない酷い写真の連続でした。

 最初にやったことは、「反対ホームから撮る。」です。そうすることによって、足回りが写るので、車両全体の姿を捉えることが出来ます。「JR全車両ハンドブック」から得た教訓です。

 そんな中、雑誌で「いまさら聞けない鉄道写真の撮り方」という特集がありました。そこで、注目したのは、「横3分の1を中心とすると良い。」とのことです。

 単純なことです、そうすると、正面1/4、横3/4の直方体が、ちょうど満遍なく写せる定理です。編成が長くなれば正面の比率が下がるので、それは更に調節すれば良いのです。

 「鉄道写真の撮り方」という本を、何冊も読みましたが、プロもつい正面に引きずられることがあるとのことです。そこで、「側面1/3」を気をつければ、少しはその対策にもなってきます。

 止まっていれば、どうとでも撮り直しが効きますが、電車は止まっていません。だから難しいのですが、プロも指摘します、電車は必ず線路の上を走るので、方法はある、とのことです。手前1線分空けるとか、ピントは基本置きピンでとか、ライブビューでピントを合わせるとか、まあ、使えるものは全部使え、ということです。折角そういう機能が装備されているのに、使わないのは勿体ない。だったら使いましょう、ということです。

 2003年春にデジ一を初めて手にして、もう14年近くになりますが、まだ全部は使いこなしていないなあ、と思います。狼よ、その正体を見せてくれ!

 それでは、次回をお楽しみに。