Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第23回 8-15mm

 暫く投稿を休んでいるうちに、ビッグニュースが入ってきました。「8~15mmズーム魚眼レンズ」発売とのことです。

 MF時代、N社の最広角は6ミリ、キノコ形の超巨大レンズで、前を向いても後まで写る円周魚眼レンズでしたが、MFレンズの整理、及びその後のAF化で後継も無く終わりました。

 その後、AFレンズでの最広角は16ミリ対角線魚眼で、デジカメ登場時に14ミリが登場、DX21ミリ代用での使用も考えられたものとなっています。以降ズームも14ミリが最広角、それが永く続いていました。

 一方レンズメーカーでは、S社が対角線魚眼15ミリと、円周魚眼8ミリ単焦点を出し、単焦点ではどちらにするか、という検討をするところでした。実際の写真でも、15や16の対角線魚眼ならある程度の実用性がありますが、円周魚眼は使用する対象が限られ、セールスより技術が上回ったレンズ、普通なら購入を尻込みするでしょう。勿論私は持っていますが、使用頻度は非常に低いものです。

 しかし、「マグロ」(1200~1700ミリ、野球場でバックスクリーンからバッテリーが縦でも横でもノートリで写せるズームレンズ、現在は生産していない)でもそうですが、N社はスイッチ切り替えを好まず、ズームで連続的に変換出来るレンズを造ります。そこで、フルサイズで円周から対角線まで連続的に変更出来るズームという設計となり、このレンズの登場となりました。いかにもN社らしいズームです。

 一方APS-Cサイズでは、K社が同様のズームを出しており、それとの競合は無いようです。ただ、連続的に変更出来るズームの力は大きく、期待されるものです。

 多分、私は手に入れると思いますが、技術的満足はともかく、それだけのセールスは、難しくも思います。このズームで開拓されるファン層は見込まれますが、この焦点距離を理解出来る人が、どの位いるのか。マクロズーム(今ならば、オークションでも出ていれば欲しいですが)のように、いつの間にか無くなっていた、とならないよう願うのみです。そのためには、やはり「買う」という行為が必要です。あるうちに、買っておきたいと思います。

 それでは、次回をお楽しみに。

第22回 14-24mm

 それは、驚異のズームレンズでした。

 「大三元」と呼ばれるのは、標準の24-70ミリ、望遠の70-200ミリ、そして、広角の14-24ミリの、3つのF2.8ズームレンズです。今年創業100年を迎えるN社の、100周年記念販売品に、カメラと併せ、大三元の特別セットが用意されます。それほど、この3本は他のレンズとは格が違い、重きをなしています。

 その、14-24ミリは、設計では不可能なほどの非球面レンズを必要とし、断念も検討されるほどだったそうですが、数々の難問をクリアし、登場しました。

 その性能は驚異的なもので、最広角域14ミリにおいて、単焦点14ミリF2.8の性能を上回るという、通常はあり得ないほどのレンズとなり、設計と併せ驚異的なレンズとなっています。

 先日も、同レンズを、レンズメーカーの12-24ミリ2世代と比較しながら、使いました。

 基本的に、対角線魚眼の16ミリを上回る超超広角は、一般的には巨大なものを写す、及び広範囲を写すことが多いですが、もう一つ、あまり知られていない使用法があります。

 それは、「狭い室内に押し込められた物の全景を、直近で撮る」です。

 一般的には、全景はある程度の距離を置いて撮るものですが、狭い室内では、離れる距離を置くことが出来ず、直近で撮らねばなりません。それには、このような超超広角が必要なのです。確かに、狭い室内に押し込められるのは、悲しい野生の虎ですが、それを解放する唯一の手段が、このレンズなのです。

 確かに、レンズメーカーの12ミリには少々範囲が負けますが、絞り一段明るく、しかもコーティングが完璧で、別人が撮ったぐらい写真も違いました。その位、性能的に圧倒的なレンズなのです。N社の目指す写真が、そこにあります。

 ただ、正直言うと、C社は11ミリを造り(これは法外な値段で、超望遠レンズ並みの値段でしたが)、それを上回れとはいいませんが、AF動作ギリギリの明るさF5.6か6.3位で、レンズメーカーに対抗するようなレンズは、技術力からして設計出来そうな気がしますが、どうなんでしょうか。開発検討さえ行っていないのか、それとも少し状況が悪く、そこまで余裕が無いのか。レンズ設計の余力こそが、メーカーの体力でもあり、この辺は手を抜いて欲しくないですね。頑張って欲しいです。

 それでは、次回をお楽しみに。

第21回 24-120mm

 それは、APS-Cユーザーでも、常用する人がいるレンズです。

 かつて、フィルムからデジタルへとカメラの方向性が大きく変わっていく時代に、まるでその流れに抗うかのように、おそらく最後のフィルム機となる、フラッグシップ機が発売されました。そのカメラは、10年以上経った現在も、そのまま継続して発売しています。

 そのカメラに常用するべく開発されたのが、初代の24-120mmでした。ただF値は固定では無く、3.8から4.5程度の変動があったと記憶します。普通のズームのようですが、しかしそれは手ブレ防止付きで普通にはならない。今思えば常用域で手ブレ防止は画期的で、暗さをカバーするには十分です。ただ、光学性能はフィルム用のそれであったようで、現在は発売されていません。

 更にデジタル化が進み、レンズもそれに対応した性能が求められるようになると、同レンズも刷新され、手ブレ防止はそのままに、デジタル対応コートを施し、F値も4に固定、デジタル用のズームに進化しました。それまでがある意味「味」のある結像であったのに対し、その辺は修正され、性能的には別物との評価もあったようです。それだからでは無いですが、24-70mmの代理人として、私の常用レンズとなっています。

 フルサイズですから当然と言えば当然の選択ですが、一部にAPS-Cサイズユーザーでも常用する人がいるとのこと。フィルム時代のレンズも流用出来るN社のカメラのこと(C社では、一部の高級レンズを除きそれはできない)、不便さを引きずりながら使う人も多いです。ただ、正直言ってAPS-Cでは、18ミリは無いと画像が窮屈になり、撮影が困難だと思います。そこは、たとえレンズメーカーに堕落しても、専用レンズを使った方が良いと思いますが、カメラがフラッグシップ機なのに、常用がサードパーティーというのも、恥ずかしい感じがします。高画素フルサイズを使う今、やはり高倍率では光学的に性能を十分に発揮出来ないと思うので、その辺からも当然か。24-70mmほど劇的な変化は感じませんが、それも常用だからかなあ、と思います。

 結論。「カメラ本体に、相応のレンズを使うこと。」でなければ、性能は十分に発揮出来ません。

 それでは、次回をお楽しみに。

第20回 24-70mm

 そのレンズは、報道記者の常識でした。

 「オールインワン」の高倍率を使っていた頃、両端の幅が狭く、則ち恐ろしく倍率が低く、しかも非常に値段の高いズームレンズがありました。高倍率は、普通AFセンサーが働くギリギリのf/5.6かf/6.3、それに対しそのレンズはf/2.8と、約2段のアドバンテージがあり、それで値段が高いのは納得しましたが、自分の使うレンズでは無いと、その当時は思っていました。

 確かに、並みのデジ一では、高倍率か高性能か、区別はあまりつかないもので、「小型、軽量」をモットーとする私は、興味も持たずにいました。

 しかし、状況が変わったのは、フルサイズの高画素機を購入したこと。「高画素には、『大三元』」とも書かれ、高性能レンズを、試したくなりました。

 そして、実際手にすると、コーティングのナノクリもあり、高倍率では不可思議なゴーストやフレアが入るシーンでも、全く支障光線は入らず、威力を感じました。さらに、画像も、自分の写真では無いほど写り方が変わってきました。正直、これ以上はf/1.4固定焦点のみ、と思う位の画像でした。

 他日、イベント時に、報道記者が来ていて、「C社でない」カメラを使っていましたが、レンズは全く同じ、このレンズはプロユースでもあるのだと思いました。

 実際、設計段階では、もっと幅の広いズームにすることも可能であったであろうところ、得られる結果がメーカーの規格に合わず、結果カットして、この低倍率をつくっているのだ、ということも分かり、ますますプロユースのレンズです。

 また、存在感も一流で、高倍率にも負けないほどの大きさになっています。正直、レンズメーカーT社なら、もっと短く軽量に設計するでしょうし、増してレンズメーカーS社なら、躯体並みにもっと両端を広げているでしょう。

 そんな、プロユースのこのレンズも、現在の最新設計では手ブレ防止も入り、更に進化しています。間もなく同形の生産も終了するでしょうが、古いカメラにも対応する、信頼性の高いこのレンズを、プロのように普段使いには出来ませんが、「ここぞ」というところで使っていきたいと思います。

 それでは、次回をお楽しみに。

第19回 18-35mm

 購入した当時、そんなに役立つレンズとは、思っていませんでした。

 フィルム時代、18、20、24、28、35ミリと、主要な広角レンズ域をカバーするレンズとして、普通に買った同レンズ。当時は外部駆動で、マウントに内蔵したカップリングでピントを合わせる、そういうレンズでした。明るさもf/3.5~5.6で、特段明るいわけでも無く、平凡な広角ズームでした。

 しかし、重要度が急増したのは、デジ一が登場してから。D100の時代、適合するレンズが製造されておらず、約1.5倍の望遠に、撮影は苦しめられました。

 そこで試しに入れた、18-35ミリ。それが意外とツボにはまり、いつの間にか常用となっていました。結果、「DXには18ミリが必要。」との結論に達しました。

 以降、普及型D70登場で、レンズキットは18-70ミリとなり、これでDXフォーマットも安定して使用出来るようになりました。

 そして、同レンズは、通常の広角レンズに戻りました。

 現行はAF-Sであり、上位バージョンの16-35ミリf/4、14-24ミリf/2.8もありますが、やはり普段使いには、高価なレンズは勿体ない。そんな、カジュアルな広角ズームでもあり、主要なところは押さえており、最初の広角にもお薦めなのでしょう。広角の世界へ、皆さんも、どうぞ。

 それでは、次回をお楽しみに。

第18回 18mm

 そのレンズは、混乱の中、ひっそりと姿を消しました。

 今から十数年前、「EFに非ずはカメラに非ず」という時代があり、それ以外のメーカーを使っていると、「あんた、変人ねえ!」という顔をされたものです。例えば、プロはその当時ほぼ全員が「白レンズ」を使用し、他のメーカーはまずいませんでした。アマチュアも、他のメーカーは変人で、何かEFマウントが使えない理由があるのかと、逆に心配されるほどでした。

 そんな状況ですから、他のメーカーは商売あがったりで、全く話になりません。全く売れないわけですから、売る品を減らすしかありません。そんな商品整理の最中に、消えていったものの一つに、18mmf/2.8Dがありました。

 私は、そんなことも知らず、そのうちに、と思っていましたが、商品カタログから消え、慌ててカカクコムで調べ、金策して買った記憶があります。もし、そこで手を打っていなければ、多分現在まで手に入れる方法は無かったでしょう。

 それから暫くして、カメラはメインでは無い、とある大手家電店の片隅に、忘れ去られたかのように同レンズがありました。そこでカードで買っておけば、今頃はオークションでホクホクだったでしょうが、それを思いつかず、勿体ないことをしました。

 そして、18ミリは、市場在庫払拭で、販売が終了しました。

 造っても売れなかった時代、あの頃はそれで仕方ないです。しかし、今やFマウントレンズは、純正だけで世界で年500万本売れるまでに復活したのです。年により多少変動はあるでしょうが、ここで、考えて頂きたいのです。

 あの頃、そういう事情で販売を止めたものの中には、そのままでも売れそうなものはあるのです。そんな時のために、金型を捨てたわけでも無いでしょう、すぐにでも再生産出来るのでは無いでしょうか。それで、失われたラインナップを、復活して欲しいのですが。28mmf/1.4では、再設計したい気持ちも分かります。ズームで、18ミリはカバーしており、単焦点の勇気が出ないのも分かります。期間限定の注文生産でも良いので、出すというのはどうでしょうか。売り方は、あると思います。

 因みに、同レンズは、Fマウント初のガラスモールド非球面レンズ(ガラスを金型に載せて形作る非球面レンズ)を使用したレンズで、確かに手間ですが、現在でも十分通用すると思います。

 もし、処分したい旧在庫があれば、それはネットショップで、是非売って欲しいですね。今やFマウントは、それほど求められるものなのです。会社がある限り、続けるものですよねえ!是非、期待したいです。

 それでは、次回をお楽しみに。

第17回 60mm

 それは、世代が変わった現在も、販売されているレンズです。

 MF時代は、55ミリとして販売されていた、いわゆるマイクロレンズ。専用の接写リングを使うと、最大等倍まで接写が出来、花や昆虫などの撮影に使用されました。実は、その初期の接写リングまで手に入れ、現在ご満悦です。

 脱線しましたが、AF化されるときに、焦点距離は60ミリに変更となりましたが、接写リングが不要となり、光学系も含めモデルチェンジされました。その、外部駆動のAFレンズです。

 焦点距離からも、標準の50ミリに近く、「準標準」「標準マイクロ」などと呼ばれ、通常撮影から接写までこなせるレンズで、またアクセサリーをつけるとフィルムのコピーも出来るレンズとして、使用されてきました。残念ながら鉄道ではそのような使用法は無いので、標準の代わりに使用する程度で、縁の薄いレンズではあります。

 現在は、さらに設計を一新したAF-Sレンズとなり、デジタル対応コーティングがなされ、デジ一に対応したものとなっていますが、それでも現在まで併売され、一定の需要があると思われます。

 やはり、接写用レンズは、「正確に写す」が一番求められることであり、それは105ミリや200ミリでも守られてきたことです。200ミリはともかく、105ミリもMF、AF、デジタルでそれぞれ改設計されており、それぞれの「正確」を描いています。先回のT社の90ミリもそう、レンズメーカー各社も設計が百花繚乱ですが、守るべき一線は守っています。

 「接写」では、鉄道模型ジオラマしか撮るものが思いつきませんが、「準標準」なら、形式記録など、使い道はありそうです。超広角同様の頻度のような気もしますが、他人と違う写真を撮るには、同じ機材では撮れません。「今まで無かった写真」を撮るのには、意味がある気がします。デジタル対応コーティングはありませんが、それもまた「味」なのでしょう。クラシックレンズを使う、私もまた「レンズ沼」に入りつつあるようです。

 それでは、次回をお楽しみに。